KlimaDAO JAPAN、「J-クレジット」対応のカーボンクレジットマーケットプレイスの4月実証へ | あたらしい経済

J-クレジット対応のマーケットプレイスが4月に実証開始

日本で新たに設立された「KlimaDAO JAPAN(クリマダオジャパン)」が、「J-クレジット」に対応したカーボンクレジットマーケットプレイス「Carbonmark JP(カーボンマークJP)」の実証を4月に開始する予定だと2月15日発表した。

なお「J-クレジット」は、再生可能エネルギーの活用などによる温室効果ガスの排出削減・吸収量をカーボンクレジットとして国が認証するもの。市場での取引や報告書への活用が可能である。

「KlimaDAO JAPAN」は、トークン化されたカーボンクレジットとブロックチェーンの技術スタックを組み合わせることで、市場の透明性と効率性の向上を目指す「KlimaDAO」による日本法人だ。

「KlimaDAO」は、DAO(分散型自立組織)として2021年10月18日に発足している。約2500万トンのVCS(Verified Carbon Standard=世界で最も市場に流通している民間認証クレジット)が、「KlimaDAO」開発のインフラによりブロックチェーンに移行された実績があるとのこと。オンチェーン上でリタイアされたクレジットは50万トンを超えているという。既に150以上の組織がそれらを利用しているとのこと。

そして昨年10月に「KlimaDAO」のコアメンバーが中心となり、KlimaDAO JAPAN株式会社は立ち上げられたという。

「KlimaDAO JAPAN」では、Web3・ブロックチェーンの透明性・信頼性・拡張性を活用し、気候変動対策の新たな潮流を日本から生み出すことを目指しているとのこと。同社は、トークン化されたカーボンクレジットとブロックチェーンの技術スタックを組み合わせることで、企業や自治体、個人が気候変動への対応を具体的に、そして効果的に行う手段を提供するとのことだ。

KlimaDAO JAPANが展開する事業

発表によると「KlimaDAO JAPAN」では、「日本でのデジタルカーボンマーケットプレイス開設」、「カーボンクレジットの創出・調達・デジタル化支援」、「デジタルカーボンに関するコンサルティング・開発」の3つの事業を柱に、日本でのビジネスを展開するという。

「日本でのデジタルカーボンマーケットプレイス開設」では、前述した「Carbonmark JP」をポリゴン(Polygon)のブロックチェーンにて開設するとのこと。現在は、4月から予定する実証への参加者を募集しているという。対象は「保有するJ-クレジットをブロックチェーン上で販売したい組織」、「J-クレジット口座を保有していないが、J-クレジットの売買・保有をしたい個人・組織」等とのこと。

また同社では、本体「KlimaDAO」がグローバルに展開しているデジタルカーボンマーケットプレイス「Carbonmark(カーボンマーク)」で取り扱っているボランタリークレジットの取り扱いも進めていくとのことだ。

次に 「カーボンクレジットの創出・調達・デジタル化支援」だが、こちらでは顧客のニーズに合わせて、J-クレジットや各種ボランタリークレジットの創出からデジタル化までを支援するという。また本体「KlimaDAO」のグローバルネットワークを活かし、特定のユースケースに対応した海外クレジットの調達もサポートするとのことだ。なおユースケースとして挙げられたのは、国際航空のための炭素オフセットと削減のための枠組み「CORSIA」などだ。

その他にも「KlimaDAO JAPAN」では将来的に、Web3ネイティブな独自のボランタリークレジット制度の開発も計画しており、誰でも参加できる形で環境価値の創出・貢献ができる仕組みを構築するとのこと。

そして「デジタルカーボンに関するコンサルティング・開発」では、「KlimaDAO」の知見・技術を活かした、デジタルカーボン全般に関するコンサルティング・開発サービスを提供するとのことだ。

現在のKlimaDAO JAPANによる取り組み

現在、「KlimaDAO JAPAN」は長崎県西海市、および西海クリエイティブカンパニー(SCC)と連携し、西海市が目指す「ゼロカーボンシティ」に向けた取り組みを開始しているとのこと。

この取り組みでは、西海市の環境価値からカーボンクレジットを創出し、それらを「KlimaDAO JAPAN」のブリッジングシステムを利用しブロックチェーンへ移行、そしてSCCが開発するNFTやメタバースに、そのデジタルカーボンを統合する計画をしているという。

これにより環境価値を個人でも売買しやすいNFTという形にし、そのNFTをメタバースと連携し、環境への貢献を可視化できるようにすることで、個人が気候変動対策を楽しみながら実施できるといった環境を整備していくとのことだ。

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参考:KlimaDAO JAPAN
images:iStocks/hkeita

Source: https://www.neweconomy.jp/posts/371137